お口の健康維持に定期検診は欠かせません。検診で病気を早期発見することはもちろん、蓄積したお口の汚れをクリーニングで落とすことが大切です。
定期的に診察を行うことで、早期の段階で虫歯や歯の異変に気づくことができます。
虫歯や歯周病が進行してからの治療では、痛みや食事への影響が伴い、日常生活に様々な支障をきたします。痛みや異変が少ない段階から治療を行うことが大切です。
天然の歯は耐久性も高く、しっかりと食べ物を噛むためにはとても重要ですが、一度失うと元に戻すことはできません。虫歯の進行が進み、歯を深く削ることや抜歯を行うと同時に健康なご自身の歯を失うことになります。健康できれいな歯を保つためにも予防歯科は有効です。
定期検診では費用がかかりますが、長期的に考えると費用が抑えられます。虫歯での治療や抜歯による義歯、入れ歯になった際の初期費用やメンテナンス費用を想定すると、事前に予防ができ、経済的負担が軽く済む定期検診をお勧めいたします。
歯が痛くなってから歯科医院に行くのではなく、痛くなるまでに受診する。定期的にメンテナンスを受ける。毎日のセルフケアを怠らないなど、積極的に歯を守っていく姿勢が予防歯科の特徴です。永久歯は親知らずを除いて、上顎14本+下顎14本で合計28本あります。皆様はご自身の歯が現在何本あるかご存知でしょうか?
永久歯28本のうち、治療をしていない健康な歯の本数、治療した歯の本数、抜歯した本数を完全に把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。
予防歯科への第一歩として、まずは自分の歯を知ることからはじめてみませんか?自分の歯を知ること、健康に保つことは生涯にわたりお口だけでなく精神面へも健康へとつながります。
お口の状態は日々変化します。患者様の健康状態の変化を把握するため、歯科衛生士は原則担当制を採用しております。
当院では、最新の光学印象を導入しており、虫歯のリスクを数値で表示することができます。見えにくい場所や、変色していて目で見ただけではわからない虫歯を発見することができます。
唾液検査から細菌の量や唾液の質を調べることで、虫歯に対するリスクを知ることができます。この結果をもとに、最適な予防計画を立てていきます。
水・超音波・汚れに作用する専用のパウダーを使って歯面をクリーニングする機器を使用しています。痛みを限りなく抑えつつ、従来よりもしっかり汚れを落とすことができます。
また、フッ素塗布のあと、イオン導入器で人体では感じない程度の弱い電流を流して、フッ素をより浸透させています。
フッ素が多く吸収されるだけでなく、脱灰(歯のエナメル質を酸が溶かし、ミネラルが溶け出してしまうこと)も減少でき、虫歯予防の効果が高まります。
妊産婦の予防歯科をご存知ですか?
妊婦さんを対象にした予防歯科のことで、母親となる方に出産前後の歯の健康についての知識を身につけていただくことで、出産リスクを抑えること、赤ちゃんの虫歯を予防し口の健康を守ることを主眼に置いています。
妊娠中に気をつけたいことの一つとして口腔内のケアがあります。近年、妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)は、早産および低体重児出産へのリスクが高まることがわかっています。これらは妊娠中に増加する、エストロゲン(女性ホルモン)が大きく関わっているといわれています。エストロゲンが歯肉を形作る細胞を標的にして、歯周病原細菌の増殖を促すことが知られています。つまり口腔内が歯茎の炎症を起こしやすい環境になり、歯周病が非常に進行しやすい状況が整ってしまうのです。妊娠中は唾液の量が減ることも後押ししています。妊娠中期から後期にかけてエストロゲンが増加するため、更にリスクが高まります。出産とともに元には戻りますが、清潔な状態を保つことで炎症を抑えることができますので、プラークコントロールを常日頃から心がけてください。歯周病は予防可能な疾患ですので、赤ちゃんのために確実な歯周病予防を行いましょう。
また、赤ちゃんの口内には虫歯菌や歯周病菌はありません。それでも虫歯や歯周病になってしまうのは、口移しやスキンシップによってお母さんや家族の細菌が感染するためです。また妊娠すると、つわりによって、歯磨きがしにくくなり、虫歯になるリスクが更に高まります。妊産婦の予防歯科では、そうした知識を知ってもらい、必要であれば出産前に虫歯や歯周病の治療をしてもらうとともに、子どもに歯磨きをきちんとするなどの正しい生活習慣を身につけていただきます。