皆さんは、歯ぎしりや食いしばりなどの習慣はありませんか?どちらも無意識のうちに行っていることも多いため、自覚していない方も少なくありません。今回はそんな歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖を放置するリスク、それらを改善する治療法などをわかりやすく解説します。
私たちが歯で噛む時の力は、50~60kgに達します。食事をしている時は、歯と歯の間に食べ物が介在し、クッションとしての役割を果たしているだけでなく、噛む力も厳密にコントロールされているため、お口の健康を害することはまずありません。けれども、無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりは、色々な制御が効いておらず、歯や歯茎、顎の骨、顎関節に対して、過剰な負担を強いることになります。
歯ぎしりが習慣化すると、一部の歯に過剰な負担がかかり、摩耗や破折などを引き起こします。その影響は顎関節にまで及び、顎関節症を引き起こすこともあるのです。
歯並びやかみ合わせは、長期的に不適切な力が歯列にかかることで乱れてきます。歯ぎしりや食いしばりなどによる圧力でも、矯正治療のような歯の移動が起こり得ます。
歯ぎしりは、主に睡眠中に起こることが多く、意識的に改善することは容易ではありません。そこで有用なのが「ナイトガード」と呼ばれる装置です。夜間に装着するマウスピース型の装置で、歯ぎしりによる歯列への悪影響を緩和することができます。
歯ぎしりそのものを根本から改善するわけではありませんが、歯や顎の関節を守る上では大いに役立ちます。歯ぎしりは、寝不足や疲労、ストレスの蓄積が原因となりやすいため、それらを取り除くことで習癖自体も改善していけます。
このように、歯ぎしりや食いしばりには極めて深刻なリスクがあるので、自覚した時点で改善するよう努めましょう。歯や歯茎、顎関節への影響が大きい場合は、ナイトガードなどによって対応します。